奇抜な想像力で時空を超越するイプセンの冒険叙事詩『ペール・ギュント』。韓国演劇界をリードする気鋭の演出家ヤン・ジョンウンが、変幻自在の魔術的なシーン構成と凝縮されたことばで現代に甦らせた傑作。遊び心にあふれた多彩な演出で観客を魅了し続ける劇団ヨハンジャが、大韓民国演劇大賞など数多くの賞を受賞した話題作を日本で初めて上演する。（日本語字幕つき）

ヤン・ジョンウンは、演出家、劇団ヨハンジャ（旅行者）代表。韓国BeSeTo委員会代表。ソウル芸術大学文芸創作科卒業後、1997年に劇団旅行者を旗揚げ、2001年に発表した『椅子』で一躍脚光を浴びる。以後、『夏の夜の夢』、『縁 KARMA』、『幻』など数多くの作品を発表している。伝統と現代を融合し、身体、言語、イメージを多彩に空間に織りなす独自の演出は常に反響を呼び、演劇界の次代のリーダーと言われている。2006年に、代表作『夏の夜の夢』で韓国演劇史上初めてイギリスのバービカン・センターに公式招待されるなど海外でも活躍。韓国文化観光部長官賞など受賞多数。

劇団ヨハンジャ（旅行者）は、東洋演劇を正統に受け継ぎつつ、世界に向けた普遍的な演劇言語を追求し、挑戦を続ける実験精神の強い劇団である。俳優たちの身体の祝祭性と、東洋的な音楽、衣装、舞台美術が有機的に結合した完成度の高い作品を発表している。韓国的な"美"を基本にしたスタイルは、国内をはじめ海外でも高く評価されている。カイロ国際実験演劇祭大賞、グダニスク国際シェイクスピアフェスティバル大賞（ポーランド）などを受賞。2005年には、宮城聰とヤン・ジョンウンが共同演出した『トロイアの女たち』でBeSeTo演劇祭寧波開催（中国）に参加した。